vol.116「評価・賃金制度を作る意味」

2016年8月26日配信

こんにちは。
船井総合研究所 医療・介護・福祉・教育支援部
クリニック経営研究会 整形外科分科会 主幹の 上藤英資 です。
 
今回は、「評価・賃金制度を作る意味」と題してお伝えしたいと思います。
 
■給与を見せ合うスタッフに嫌気が指す?
 
2016年も折り返し地点を過ぎ、夏季賞与を支給した医院も多いのではないでしょうか。
 
この時期になると、お付き合いしている先生から必ず相談されるのが、
 
「スタッフ同士が支給額を見せ合っていて、雰囲気が悪くなる」
 
ということです。
 
「私のほうががんばっているのになんで」
「もっと貰えると思っていたのに」
というスタッフの声が、言葉には出さないまでも、聞こえてくるようです。
 
賞与は本来、支払うか支払わないかは経営側の判断であり、
 
「感謝されこそすれ、賞与を出して雰囲気が悪くなるなんて」
 
とお考えの先生が多いのではないかと思います。
 
■経営者とスタッフの根本的違い
 
雇われる側であるスタッフにとって、
 
「給与は貰えて当たり前。賞与も出て当たり前」
という感覚が一般的です。
 
患者様が来て当たり前。
医院にはお金があって当たり前。
給与が出て当たり前。
という、「当たり前思考」。
 
それに対して、経営者は、
 
「患者様が来院するのは当たり前ではない。
患者様が今後も続けて来院するかどうかはわからない。
医業収入が、来年も同じくらいあるかどうか。
そのために経営努力をしなければならない。
人への投資も必要だし、施設への再投資も必要。」
 
という、「今と同じじゃないかもしれない思考」。
言葉を変えると、
「今を維持するために、新しいアクションをし続けなければならない思考」
です。
 
現状を認識する上での物の見方の違いを、
恐らく、ご自身で開業されて、経営をされてきた方は、
「頭では理解できても、体感として理解できない」
というのが本音ではないでしょうか。
 
この意識のズレの最たる一例が、
賞与を支給したときのスタッフの反応に経営者が戸惑う、
という現象であるように思います。
 
■貰って当たり前、を無くすために、評価・賃金制度を作る
 
上記のような不満が出るのは、
院長の一存で給与や賞与額を決めて、
「どんな人を評価し、給与を決めているのか」
という判断基準がブラックボックスになっているからです。
 
「どのくらい医院に貢献すれば、どのくらい給料が出る」
という基準が不明確だからこそ、
「私はこんなにがんばっているのに、給料が上がらない」
というスタッフの“主観的な不満”が出てきます。
 
仕事をする上で、がんばるのは当たり前です。
医院として評価するポイントは、
「どれだけ医院に貢献する仕事をしているか」
という一点です。
 
様々な職種において、
・医院に貢献する行動とは何か
・それに対して、医院としてどのような評価をしているか
・その評価に対して、どのくらいの給与として、本人に還元されるか
 
ということを明確にすることが、評価・賃金制度の役割です。
 
■評価・賃金制度を導入するタイミング
 
私のご支援先では、
法人の従業員が15名から20名を超えてくるタイミングで、評価・賃金制度を導入されることをお勧めすることが多いです。
 
院長の目が行き届き、現場が納得する評価を作れるのが、この人数規模が限界になってくるから、というのが理由です。
 
「大きい組織だから評価・賃金制度があるんじゃないの」
と、仰る経営者もいらっしゃいますが、
「組織を大きくするために、組織が小さい頃から評価・賃金制度を持っていたから、大きな組織に発展した」
というのが正しい捉え方です。
 
医院の成長・発展を目指される医院は、評価・賃金制度の作成・導入を真剣にお考えになられることをお勧めします。
 
■助成金などを上手に活用しましょう
 
地方自治体によっては、評価・賃金制度の導入に対して、補助金が出るところがあります。
こういった、公的な補助金を上手に活用しながら、評価・賃金制度の導入をご検討されてはいかがでしょうか。
 
 


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今回の担当コンサルタント

医療・介護・教育・福祉支援部

上藤 英資(ウエフジ エイスケ)

入社以来、診療所のコンサルティングに従事。現在は整形外科を専門にコンサルティングを行っている。
整形外科の集患強化・スタッフマネジメント・採用教育支援を行う。
近年は整形外科が取り組む介護事業(デイケア、デイサービス、訪問リハ、居宅介護支援事業所など)の立ち上げ、活性化支援も手がける。
 
 
 

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