vol.95「幹部・管理職育成のための目標設定」

2016年4月11日配信

 
いつも『めでぃまが!』をご愛読いただきありがとうございます。
今回は、病院を担当しております大西がお送りさせていただきます。
 
 
医療機関のコンサルティングをさせていただいている中で、
よくよくある経営者の方のお悩みのひとつに、
「頼りになる右腕がほしい」
「任せられる事務長がほしい」
「優秀な幹部が育たない」
など、所謂『幹部・管理職育成』があがってきます。
 
実際、私たちがいまお手伝いさせていただいているクライアント先でも、
「幹部育成コンサルティング」を多くの病院でサポートさせていただいています。
 
 
経営者の方が仰る『優秀な』という言葉は、
得てして『問題意識や価値観を共有できる』
言い換えると、『経営意識を持ってくれている』という言葉と同意であることがほとんどです。
 
ではなぜ、そうした意識が育ちにくいのでしょうか?
 
医療機関の場合、民間の多くの会社と違うこととして、
①扱う商品(治療)の幅が一定であり、
②価格の差がないため競合と競争が起きづらく、
③顧客(患者)ニーズも大きく変化しないため、
日々の仕事がルーティンワークになりやすい傾向があります。
 
毎日患者さんが来てくれて、あるいは、入院している患者さんが一定数いて、
毎日毎日、その人たちのケアをして、1日が終わる。
これでは目先の仕事に終始してしまいますし、向上心も持ちにくいですよね。
 
そうした日常業務はもちろんとても大切なのですが、
先生方のところでは、それとは別に、新しく何かを創る仕事を任されているでしょうか?
 
・病院の職場環境を改善する
・新しく加算を取得する
・少し難易度の高い医療技術を身につけさせる
・etc…
 
こうした「新しい取り組み」に対する「目標」があることって、実は仕事においてはとても重要です。
 
「幹部を育てるために研修に行かせているんだけど・・・」というお声もよく耳にしますが、
残念ながら研修だけでは人は育ちません。研修で学んだことを実践してこそ育ちます。
 
研修に参加されたあと、「目標設定」をされているでしょうか?
 
 
ここで、目標設定の際に大切にしたい『SMARTの法則』をご紹介します。
 
【SMARTの法則】
 
最初のSは、Specific。「具体的に」という意味です。
目標は実現する様が想像できるように、目に見えるの具体性が必要です。
「誰が、いつ、どこで、なぜ、何を、どのようにやるのか?」という5W1Hを明確にすると良いでしょう。
 
次のMは、Measurableです。「測定可能な」という意味です。
達成が図れない目標は、目標とはいいません。
「外来の患者さんにもっとたくさん来てもらえる病院にする」ではなく、
「外来の患者さんを1日あたり20人多く来てもらうようにする」というように、数字で表すことが大切です。
 
3つ目のAは、Achievable。「達成可能な」という意味です。
今までにやっていないこと、できていないことを実施していくのはいいけれど、
無謀な計画だと意味がないですよね。少し背伸びをしてできるような内容が目標にはベストです。
 
Rは、Result-orientedということで、「成果に基づいて」と言います。
これは、目標設定は成果をもとに設定するというものです。
たとえば「ベッド稼働率90%を達成するために病院営業を今までよりも20件多く行こう」といったように、達成したい成果についての目標を設定するようにしてください。
 
最後のTは、Time-bound=「期限付き」です。目標には必ず期限をセットしなくてはいけません。
「近日中に」や「中長期的に」といった表現は避けて、具体的にいつまでにという期限を設けることがポイントです。
 
 
このような形で、目標設定から職員に考えてもらいながら、先生も一緒になって決定をする。
そして、その後は適度な頻度でその進捗をチェックして、アドバイスをしながらPDCAを回してもらう。
そうすることで、少し時間はかかるかもしれませんが、確実に「幹部力」は上がっていきます。
 
 
4月、新しい年度が始まりましたね。
4月は1月と並んで、新しい取り組みをするのに最適な時期です。
 
先生方がやりたいなと思っていてなかなかできていないこと、
職員の皆さんにもっとこうしてほしいと思っていること、
思い切って、先生方の問題意識を共有し、任せてみられてはいかがでしょうか?
 
 

病院経営研究会のご案内

【初回無料お試し参加受付中!】
病院経営研究会のご案内
 
日時:2016年5月29日(日) 11:30~17:00
会場:株式会社船井総合研究所 東京本社
 
テーマ:「病棟運営とベッドコントロール」
 
今回は、特別ゲスト講師として、社会医療法人石川記念会 HITO病院 石川 賀代 理事長・病院長にご登壇いただきます。
 
内容は、
①『HITO病院のコンセプトとブランディング』
②『地域包括ケア病棟と、ベッドコントロール』
③『在宅復帰支援と、在宅部門(社会福祉法人)』
について詳しくお話をして頂きます。
 
HITO病院様は、地域包括ケア病床45床を含む257床の病院を中心に、訪問看護、訪問リハ等、在宅までワンストップの体制を構築されています。
 
今回の診療報酬改定でも明らかですが、入院期間の短縮と在宅復帰は、今後の病院経営のメインテーマです。
 
ぜひ、こちらの講座を聴講して頂き、
「入院期間の短縮と在宅復帰」を実現し、より良い医療を提供し、稼働率を確保するのか、法人の中長期的な戦略を考える際の指標として、ご活用下さい!
 
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▼お電話やメールでのお申し込み・お問い合わせ
TEL:03-6212-2201<内場(ウチバ)宛>
toiawase@byoin-clinic-keiei.com
 
 


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今回の担当コンサルタント

医療・介護経営支援部

大西 弘毅(オオニシ ヒロキ)

船井総研に入社後、教育・美容・医療といったサービス業を中心にコンサルティングを経験。
現在は、医療機関を中心にコンサルティングに従事する一方、大手企業や行政を対象とした戦略構築プロジェクトにも携わっている。
医療機関向けコンサルティングの中では、Webを活用した集患のほか、看護師・歯科衛生士・理学療法士・作業療法士・柔道整復師など医療関係職の採用コンサルティングを得意としている。
従業員を巻き込みながら課題の解決・提案を行うスタイルには、多くのクライアントから定評がある。大阪大学人間科学部卒業。

 
 

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