医療法人SIRIUS いしが在宅ケアクリニック

本日は、いしが在宅ケアクリニックで取り組まれている「在宅緩和ケア」についてお聞きしたいと思います。まずは在宅医療の道に進まれた理由を教えてください。

医療法人SIRIUS いしが在宅ケアクリニック 理事長 石賀丈士

理由は二つあります。
一つ目として、在宅医療という受け皿を作って在宅で多くの方を看取りたいと思ったからです。これは学生時代から思っていました。当時は、在宅医療という言葉に対して誰もがピンとこない状態でしたから、尚更緩和ケアについて学んでいる人材も多くありませんでした。急性期病院に勤務していた時は「家に帰りたい」と希望する患者さんをたくさん見てきました。しかし、在宅医療という受け皿が少なかったので病棟で最期を迎える方が多かったのが現実でした。

二つ目として、在宅でご家族に見守られながらの自然死を少しでも多くの方に届けたいと思ったからです。初めて、私が在宅で看取ったのは祖母でした。祖母は認知症だったのですが、病院に入院することもなく自然に穏やかに最期を迎えました。しかし、急性期病院では自然死とはほど遠く苦しんで亡くなる方ばかりでした。
これらの現状を改善するために急性期病院を退職し、地域の診療所の院長および介護施設での施設マネジメントを経験したのち、2009年7月にいしが在宅ケアクリニックを開設しました。

日本一の在宅緩和ケアを目指して四日市モデルを確立されていますが、具体的な概念を教えてください。

四日市モデルとは、かかりつけ医や医師会の先生方と在宅専門の診療所が患者の重症度によって棲み分けを行い、効率よく在宅医療の普及を目指す方法です。
当院のような複数医師で在宅医療を24時間365日対応する診療所が「がん・難病・医療依存度が高め・独居・生活難民・介護難民」といわれる方たちを診ます。「慢性疾患・軽症」の方はかかりつけ医の先生に診ていただきます。地域の先生は1人開業医であることが多く、重症患者を在宅で診ることは難しいので、当院が重症患者を引き受けるという棲み分けにより、地域の先生との連携体制が構築でき、四日市の在宅看取りを推進してきました。
また、当院は36名の人材がいるにも関わらず、あえて訪問看護ステーションや介護施設等はもっていません。それは、在宅での看取りを地域全体の取り組みにしたいからです。当院がすべて抱え込んでしまっては、地域が育ちません。仮に、当院がなくなっても地域だけで在宅での看取りができるようになって欲しいと思っています。

緩和ケアを多くの方に利用してもらうためにどのような連携をとっていますか?

ここが緩和ケアの特徴かもしれませんが、患者さんの紹介は病院から受けることが多いです。病院の連携室と密に連絡をとり、退院前カンファレンスには全例参加するなど、常に顔の見える関係づくりをしています。重症患者は入院されていることが多いので、病院との連携をしっかりとり、必要なタイミングで必要な緩和ケアを届けることができていると思います。
 当院に任された後は、地域の訪問看護師やケアマネジャーと密に連携をとっています。

四日市モデルを実現するためには医師やスタッフが必要ですが、院内体制はどのようになっていますか?

現在、常勤医師7名、非常勤医師1名、看護師12名、ケアマネジャー2名、医療秘書14名が在籍しています。
 新たに入職された方には研修を実施しています。特に医師については最初の一か月は私に同行していただきます。訪問診療の現場を見てもらい診療方針を学び、移動の車中でも会話を通じて理念の浸透を図っていきます。一か月たった頃から徐々に担当患者を付けていきます。担当患者を付けたら、基本的には口出しはしません。毎朝のカンファレンスにて担当患者の報告をしてもらい、他の医師や看護師との情報共有の中で自ら気付いてもらいたいと思います。もちろん、必要時には指導を行います。
 当院では医師一人が当番制にて夜間休日のオンコール待機を行います。当番以外の医師は定時で退社でき、土日祝日も休み、有給休暇も全消化してもらっています。
 また、しっかりと患者さんと向き合うため、そして医師の診療の質を維持するために一日の訪問件数を10件までとしています。

多くの重症患者を診られていますが、職場環境について対策をしていますか?

医療は命を扱う究極のサービス業だと思っています。患者さんやご家族を笑顔にできていなければ自己満足にしかすぎません。笑顔にするためにはスタッフ自身が健康な体と健全な精神を持ち、充実していることが必要です。そうでなければ、良いサービスは提供できません。そのために、残業が少しでも出ていたら人を採用するようにしています。

今後の目標を教えてください。

2025年には多死時代と呼ばれる時代を迎えます。年間100名以上を在宅で看取るクリニックは今現在、全国で60程しかありませんが、当院では3000か所必要だと試算しています。ですから、早急に看取りができるクリニックを作る必要があると考えています。
 当院ができることとしては、看取りができる緩和ケア医の育成に力を注いで、四日市モデルを全国に広げることだと思っています。当院では、1年半学んだら独立してもいいと言っています。医療知識だけではなく、事務的知識や経営に関する知識も与え、独立開業する支援をしています。実際、当院で学んだ医師が、三重県松阪市、いなべ市、京都市で開業し、四日市モデルを広げていってくれました。このように緩和ケアを志す医師の開業サポートをしながら、在宅で看取りを希望する多くの患者さんに緩和ケアを届けていきます。

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