食品企業立 ならではの 独自の病院経営

キッコーマン総合病院

キッコーマン総合病院

キッコーマン総合病院院長 久保田 芳郎 氏

千葉県野田市にあるキッコーマン総合病院は病床数129床で看護師配置基準7:1、正看比率100%の急性期を担う病院だ。1914年に大正天皇の即位記念事業の一環で「野田病院」として開設後、1917年にキッコーマン株式会社が運営する病院となった。2012年には病院の建て替えを行い、免震構造で災害時にも対応できる設備を揃えている。新病院は、コーポレートカラーのオレンジを基調としたデザインで、デザイン賞も受賞している。
 日本で唯一の食品メーカーを母体とする病院として企業が掲げる「食と健康」を大切にしつつ、急性期病院として地域密着型の病院経営を実施している。

同院は、各診療科ぞれぞれで専門性に特化した精鋭の医師が在籍している。このことを久保田院長は、大規模病院が“寡をもって衆を制す“のあれば、当院は”少数精鋭”あるいは“局所戦力優勢主義”で戦略的に病院経営を実施していると語った。また食品メーカーを母体とする病院として、院長自ら減塩や食事について講演を行ったり、日本一おいしい病院食への挑戦するなど、積極的に健康寿命を延ばす取り組みを行っている。企業特性を活かしたオリジナリティ溢れる病院経営だ。そして、2018年度からは地域包括ケア病棟をオープンさせ、より地域の医療ニーズに適応できる病院づくりを実現している。

食品メーカー企業立の病院として

母体のキッコーマン株式会社は、企業として食と健康を掲げている。この考えを踏襲するためキッコーマン総合病院としては、健康寿命を延ばす取り組みを実施している。健康は食事と運動からということで、食事については、「日本一おいしい病院食への挑戦」を掲げ、減塩は当然ながら器にまでこだわって、食品企業を母体とする病院としてプライドをかけて実践している。また運動については、毎朝当院オリジナルのロコモ体操を入院患者さんと従業員全員で実施している。さらに、栄養管理士、看護学校、地域の小学校まで様々な方面からの講演依頼があり、院長自らが食事の大切さを参加者に伝えている。また、今後は地域住民の健康寿命を延ばす取り組みとして、検診事業を拡大させ、地域の方たちに病気の予防、早期発見を促していきたいと語る。

地域ニーズを反映した局所戦力優勢主義

元々は分娩を数多く行っていたのだが、医師不足に直面し、産婦人科は一時外来のみとなっていた。しかし、地域住民の出産年齢の上昇に伴い、総合病院での分娩の希望が増えた。また、行政からの依頼も後押しして、建て替えのタイミングで分娩を再開した。それに伴い、小児科にも注力するようになったのだが、それだけにとどまらず更年期疾患の女性に対しても病院ホームページを使って大々的に謳い、専門的に診るようになった。また、地域住民の高齢化とともに整形外科、リハビリ分野でのニーズにも対応できるようにドクターを大学から呼ぶなどで強化した。こういった体制を整えることで、関連の大学病院ともコミュニケーションがよくなり、医療の提供レベルの底上げにも繋がっているとのこと。そのおかげもあって、現在は隣接する医療圏の患者さんも同院に受診しに来るようになった。
治療方針としては、がんに対しては早期発見、早期手術を基本としているが、良性疾患に対しては、手術は最終手段であり、予防、悪化防止、保存療法をメインとしている。この考え方は、自然と病院全体に広がっているという。長い病院の歴史の中で、地域のニーズに対応しながら、「勝負の要に兵力を集中させる」つまり、専門性でほかに負けないところを見極めて、延ばしていくという病院経営を積極的に行っている。

今後の展望

久保田院長は、地域特性と自病院の強みを活かしていかねければならないと語っていた。今後は、地域密着型を意識しているため、地域住民の高齢化も考えて、在宅にも力を入れていくとのこと。在宅医療に病院全チームが挑戦するとスローガンを掲げていた。その第一歩として、2018年度より129床の内46床を地域包括ケア病棟に転換した。今までは急性期病院としての機能上、治療の経過を見ながら早期の退院を促していたが、病棟転換後は、もっと患者さんに寄り添い急性期治療を経過し病状が安定した患者さんでも、在宅や介護施設への復帰支援に向けた医療や支援を行うことができるようになる。また、地域の慢性期療養中の患者さんに対しても在宅医療で急変し病状が悪化した場合にも対応できる体制づくりの実現を目指している。
最後に、病院経営は難しく、他の企業立病院は撤退していっている中で、食品メーカーを母体とする当院は、病気の根源となる食事から改善できる唯一の特徴と専門性を持った病院だ。今後はこの強みを日本のみならず、まずは中国から、その後は世界に向けて発信していく予定とのことだ。

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