内科クリニックの開業でよくある3つの失敗

2019年01月13日 (日)

科目:
内科
コラムテーマ:
内科

内科クリニックの経営に役立つ情報をレポートに纏めました!

 

「内科クリニックを開業するからには絶対に失敗したくない!」「自分の内科クリニックは絶対に成功させるぞ!」勤務医から一念発起して内科クリニックを開業する先生の多くはこういう強い想いを持って開業準備を始められることだと思います。
しかし、内科クリニックを取り巻く環境は、もう「開業すれば勝手に患者さんが集まる」という状況ではなくなっています。今回は内科クリニックの開業で失敗しないために抑えておいていただきたい3つのポイントについて解説していきます。

■内科クリニックを取り巻く状況

内科クリニックの開業の失敗事例をみる前に、内科クリニックを取り巻く外部環境を見ていきたいと思います。先ほどもお伝えしましたが、現在は「内科クリニックを開業すれば勝手に患者さんが集まる」という状況ではなくなってきています。
その理由は非常にシンプルで、内科クリニック数は大きく増加している反面、患者数は減少しているからです。

・内科クリニック数の増加
内科のクリニック数は増加の一途を辿っており、直近となる平成26年の医療施設調査では、その数は63,888件(重複あり)となっています。診療所全体の数が約10万件ですので、全体の6割以上が内科を標榜しているということになります。

日本の人口が約1.26億人ですので、これを内科標榜医院数で割ると、1984人に対して内科クリニックが1件あるということになりますので、いかに内科クリニックの競合状況が激しくなってきているかがお分かりいただけるかと思います。

もちろん競合状況の激しさは立地によって大きく異なります。

東京や神奈川、大阪、名古屋などの都心部ほど人口に対する内科クリニック数が多く、〇〇県などの郊外エリアになるとその数は少なくなります。

市区町村などの細かい単位での内科クリニックの件数については、日本医師会の地域医療情報システムで検索することができますので、先生の開業しようと思っているエリア、すでに開業されているエリアの状況も一度ぜひご覧ください。

※日本医師会 地域医療情報システム

・患者数(人口)の減少

内科クリニックの件数が増加する反面、患者数は今後減少していくことが予測されています。日本はご存知の通り少子高齢化が進んでおり、2008年をピークに人口は減少を続けています。2025年には人口の3分の1が65歳以上となり、2040年には65歳以上の方の数が最大となります。

少子高齢化と人口減少が進んでいくと外来医療に対する需要も同時に減少していきます。

上記の図は経済産業省が発表した外来・入院医療それぞれの需要予測データですが、こちらによると外来医療の需要は2025年をピークとして減少していきます。

その原因は、人口減少による直接的な患者数減少に加え、高齢者が増加することにより、在宅や入院医療を利用するようになり、外来利用数が減るという事などが考えられます。

これから開業する先生は、内科クリニックを取り巻く外部環境が上記のような状況にあることをしっかりと受け止め、その中でも開業が失敗しないように入念に準備をする必要があります。

次からは内科クリニックの開業でよくある失敗や悩みを見ていきたいと思います。

■内科クリニックの開業でよくある失敗1「クリニック開業場所の選定ミス」

内科クリニック開業が成功するか失敗するかを一番大きく左右するのが、クリニックの開業場所です。これは内科クリニックをはじめとする医療機関だけではなく、サービス業全般にも言える話です。

弊社では、他のクリニックと差別化するための重要な要素を以下の8つに分類しています。

8つある差別化の要素で最も重要なものは立地、つまり開業場所です。

なぜ開業場所が一番重要なのかというと、患者さんは特殊な病気でない限り自宅や勤務先の近くの医療機関に通院します。患者さんが来院する範囲=診療圏は風邪などの一般内科疾患の方が狭く、専門性や患者さんの病気に対する悩みが深いほど診療圏は広くなります。

外来専門である内科クリニックの場合、当然通院しやすい開業場所を探すということが前提になります。

開業場所のエリアや開業物件を選定する際には、以下の3点に注意する必要があります。

・開業物件の診療圏内人口

開業予定物件から特定の範囲内に患者となり得る人口がどれくらいあるかという点です。開業前には必ず診療圏調査を行い、年齢や性別ごとの人口数に加え、受療率などから逆算して対象となる疾患ごとの想定患者数まで割り出すことが望ましいです。

また、駅から近い物件の場合は、開業物件の最寄り駅の乗降客数の動向も抑えておく必要があります。

・開業物件の駅からの距離

駅からの距離は当然近ければ近い方が望ましいです。理想は徒歩3分以内、遠くても5分以内で開業物件を見つけることが理想です。それより遠くなると駅から自院までの間に複数件内科クリニックがあるということもあり得ます。郊外型の立地の開業物件の場合は、駐車場台数が充分かという点もしっかりとチェックしなければなりません。

・開業物件周辺の競合状況

開業物件周辺にある内科クリニックの状況もチェックしましょう。都心部での開業となると、周辺に内科クリニックがないという開業物件の方が少ないでしょう。

その際に重要になるのが自院がどの分野の専門性を高めるかという視点です。周辺医院のホームページにもしっかりと目を通して、自院の専門分野と他の内科クリニックの専門分野が棲み分けでき、共存できそうなエリアが理想的です。

■内科クリニックの開業でよくある失敗2「広報力が弱く思ったように集患できない」

内科クリニックを開業した院長先生から近年よくいただくご相談が、思ったより新患数が伸びず、医業収入が増えないという内容です。

先ほどもお伝えしましたが、内科クリニックの需要と供給のバランスは大きく変化しています。またスマートフォンの普及により、60代などの比較的高齢の患者もインターネット検索で各内科クリニックのホームページをチェックするようになっています。

そういった意味でも開業前、開業後のマーケティングの主役はホームページなどのWEBマーケティングとなります。WEBマーケティングを行う際には、自院の強み(診療内容の特徴や専門分野)をしっかりと訴求することが重要です。これがしっかりとできていると、一般的に言われる内科クリニックの診療圏である半径1kmを超えて遠方からも患者さんが来院してくれるようになります。

■内科クリニックの開業でよくある失敗3「いいスタッフが集まらない」

よくある失敗2と同じく、近年増えている内科開業医の悩みがスタッフ問題です。数年前までは各種の求人媒体で募集をかけさえすれば十分な数の応募がありました。しかし、ここ1年~2年で急速に応募数が少なくなってきています。この流れはもともと苦戦することが多かった看護師の採用だけではなく、医療事務採用においても起こっています。

職員採用を成功させるためには、“応募数の最大化”が必須になってきます。そのためには、魅力的な募集要項づくりと使用する広告媒体の選定がポイントとなります。

・魅力的な募集要項づくり

求職者にとって魅力的な募集要項にするためには、自院の魅力や特徴を明確に訴求することや医院の理念を記載することももちろん重要です。それに加えて行っていただきたいのが、周辺医院の給与をはじめとした待遇面の調査です。もちろん給与は高ければ高いほど多くの求職者の目に留まりますが、最初から相場よりも数万円高い給与を出すというのは無理があります。そのため、周辺医院の相場を職種別にしっかりと調査をしたうえで、理想は

それよりも数千円高くする、最低限相場を下回らないことが重要です。

・採用に使用する媒体の選定

求人を出す媒体もここ数年で大きく変わってきています。数年前であれば新聞折込のチラシなどが中心でしたが、集患と同じく職員の採用もウェブが中心となってきています。代表的な媒体としてはindeedなどがありますが、クリニックを「開業するエリア名×職種名×採用」で検索した際に上位に表示される媒体を抑えることが大切です。

 

ここまで内科クリニックの開業でよくある失敗を3つご紹介しました。上記の3つは開業前の時点でしっかりと調査や準備をすることによって回避できるものです。

特によくある失敗2と3については、多くの先生が開業してから準備をすればいいだろうとお考えですが、必ず開業準備段階にしっかりと体制づくりをしておくことをおすすめします。

「開業してからしばらくの間は患者数がそんなに増えないだろうから時間に余裕があるだろう。」と考えていても、内科クリニック経営に伴う各種業務が発生して意外と余裕がないというのが現実の所です。

 

クリニックの開業はゴールではなくスタートにすぎません。内科クリニック開業後にゆとりがあり、かつ安定した経営を行うためには開業前の準備が大きく成否を分けます。

ぜひこの記事を参考に、開業後の医院経営を成功させるための取り組みを行っていただければ幸いです。

 

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田熊 孝治

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